佐賀県有田は陶器の町として有名ですが、その中でも特に歴史がある今右衛門窯にお伺いしました。今右衛門氏自ら出迎えてくださり、氏の代名詞でもある「墨はじき」と呼ばれる墨で描き、文様を描いたところが白抜きになる技法についてご説明いただきました。
主文様を引き立たせるために、手間のかかる「墨はじき」を背景に使用することで、作品全体の質をあげるというお話がたいへん興味深く、見とれてしまう作品につながるのだと感じました。
今右衛門窯の隣には色鍋島の優品と歴代の今右衛門作品がご覧いただける美術館があり、時代ごとの作風の違いをお楽しみいただけます。また、十代 今右衛門氏が奉納した狛犬がある陶木神社や泉山磁石場も近くにございますので、有田へ行かれる際はぜひ訪れてみてください。